【要約&書評】人生のコントロールを取り返す『時間術大全』
毎日忙しくバタバタ。溜まっていくTODOリスト、埋まっていくカレンダー、絶え間なく来るSlackやメール。
現代でサラリーマンとして頑張るあなたも、心当たりがありませんか。
ふと立ち止まって、「今日はなにをしたかな」と考えても思い返せない。
仕事に追われ、時間が過ぎ、それを毎日繰り返す。
どんどん溜まっていく仕事を前に、生産性を高めることに注力する。
しかし仕事に終わりはなく、できると次が降ってくる。
こんな状況に当てはまるという方は、この「時間術大全」は読むだけの価値があるます。
GoogleやYouTubeなどのテクノロジー企業で多忙に追われていた筆者達が、いかにして自分の人生のコントロールを取り戻せたかが分かる良書です。
著者のユーモア満載で書かれていて、退屈せずにサラッと読めてしまいます。
こんな人におすすめ
- 仕事に追われ日々過ぎている人
- NOが言えず仕事が溜まっている人
- 朝活しようとしてダメだった人
- フリータイムに自分で自分を忙しくしている人
本書の概要
本書は大きく4つの要素で構成されています。
- ハイライト戦術
- レーザー戦術
- チャージ戦術
- チューニング
「今日やるべきことはこれだ!」というハイライトを決め、それをレーザー照射のように集中的にやる。
そして集中力を高めるため、自分のバッテリーを満タンに近づける(チャージ)。
それを毎日繰り返しながら、チューニングして自分に最適な状態を目指す。
それぞれの項目の要点をまとめてみました。
1.ハイライト戦術
「毎日ちょうどいい目標」=ハイライト を決めるのがハイライト戦術です。
機械的なタスクや長期的な目標はハイライトにはなりません。
このハイライトを決めることで、「時間を意識的に集中して使う」ことができます。
これが自分の時間を主体的に使うための第一歩。
ハイライト選びの基準は3つです。
- 緊急性・・・急を要するかどうか
- 満足感・・・一日の終わりに一番満足感が得られるのはどれか
- 喜び・・・・一日の終わりに一番喜びを感じられるのはどれか
「絶対に今日中に終わらせなきゃいけないことがある」時は、迷わずそれがハイライトになります。
そこまで急を要することがないときは、「直感」で選びましょう。
ハイライトが選べたら、それを実行するための時間を確保しなければいけません。
本書では、そのための時間ワザが16個紹介されています。
今回は特に印象に残ったもの1つ紹介します。
戦術09 予定を「ブロック」する
エネルギーレベルと集中力が高い時間に、予定を入れてしまいましょう。
カレンダーを「予約済み」にして、予定をブロックしてしまうのです。
簡単にマネできて効果は絶大。
他にも、「やるかもしれないリスト」や「バーナーリスト」は、やることリストを使っている人には目から鱗です。
2.レーザー戦術
ハイライトはうまく選べた。時間も確保した。でも、その時間に集中することが難しい。
メールやSNS、ニュース世界にはあなたの気をそらすものばかりです。そんな「注意散漫」がデフォルトになっている現状を打開しないといけません。
そのために必要なのがレーザー戦術です。
本書では、あなたの気をそらすものを「無限の泉」と呼び、如何にして無限の泉を遠ざけるかを軸に、44個もの戦術を紹介しています。
レーザー戦術が一番ページが割かれており、筆者が重要視していることが窺えます。
レーザー戦術も印象的なものを1つ紹介します。
戦術24 「散漫クリプトナイト」を遮断する
だれもが持っているとびきりの「無限の泉」を、「散漫クリプトナイト」と言います。
これはどんな防御もかいくぐってあなたの時間を盗むものです。
TwitterやFacebookの人もいれば、掲示板やニュースサイトなど様々です。私の場合はYouTubeです。
まずこれを遮断しましょう。私はこの本を読み、YouTubeをアンインストールしました。
アンインストール後は、スマホに気をとられる時間が格段に減りました。
言ってしまえば気をとられるアプリをアンインストールするということなのですが、これまた効果は絶大です。
3.チャージ戦術
ハイライトを決め、集中できるようレーザー戦術を取り組めば、万事オッケー。。。ではないんです!
心身が疲れてて、あなたのバッテリー残量が少なくなっているときは、集中しようとしてもできません。
そんなときに必要なのがチャージ戦術です。
本書ではエネルギーチャージの原則を6つ挙げています。
- 動き続ける
- 「リアルフード」を食べる
- 「カフェイン」をうまく使う
- 喧騒を離れる
- 親密な時間をすごす
- 洞窟で眠る
この原則を元に27個の具体的な戦術が紹介されています。
4.チューニング
本書で紹介された87個の時間ワザは実験項目です。
毎日少しずつ試して実験しましょう。そして毎日実験結果を記録します。
出来たこと出来なかったことを見直し、次の日の実験に活かすのです。
これがチューニングです。
毎日の実験は完璧を目指す必要ありません。システムを変化させながら、自分に合った最適な形を見つけていくことが大切です。
自分の人生のコントロールを取り戻す
本書を読んで、タスクややるべきことに追われる人生は、決して人生を主体的にコントロールできている状態ではないと気づかされました。
紹介されている87の時間ワザは、効果に疑問があるものもありますが、実践の中で自分に合った形にチューニングできるのが魅力。
実際に読んだその日からいくつかのワザを使っていますが、少しずつ主体的な時間の使い方が出来てきたと感じます。
主体的に時間を使うと、その日の満足度も上がります。
自分の人生のコントロールを取り戻す。その一歩になる本でした。